いくちゃんとことばのまほう
ひらがな魔導士イクコ、ここ最近のひらがな練習。
いおす・きす・でじたる
おおさか・なつのじん
とうかい・どうちゅう・ひざくりげ
「いおーす、きーす、えっと、でじたる!でじたる〜る〜♪」
はなうたで詠唱。「る〜」に乗せてくるくると鉛筆をすべらせて、気がすむとノートの端っこに着地(この場合、マス目は無視)
「おおさかなつのじん」は、ソファからの飛びげりと一緒に。不意打ちは痛い。
「とうかいどうちゅうひざくりげ」はお風呂場で。ざぷんととびこんで、お湯が溢れてしまうとき。
「わおー!ひざくりげー!ひざくりげー!」
今もあふれ出すお湯の子たちに引っ張られながら、波間でちゃぷちゃぷ唱えてる。
「おおさか・なつのじん」が飛びげりではないことも、
「ひざくりげ」がお風呂の満水ではないことも、
たぶんいつか分かるのだろう。
だけど、意味よりも声に。声を楽しんでくれたらいい、音を忘れないで。
ことばは唱えるものだから。
この魔法使いが大人になって、物事を知って、意味と向き合うとき。
それでも魔法を、信じつづけるだろうか?
お風呂の「ひざくりげ」も終わって、今は静かな、小さな湯船。