我が家にみつばちがやってきた。 庭先で飼っているのだけれど、ぶんぶんぶん、どころではなく飛び回っている。 「のばな、はあっちよ!いくよー、ねー、ついといで!」すっかりお母さん(あひる?)の気分のいくこ、ハチさんたちを植え込みや畑につれていこ…
秋の雨って、やみそうな気配が少ない気がする。夏だともうすぐ通り過ぎますよ、ってサインがいつもある感じがするんだけどね。 いくちゃんはお絵描きをしている途中で雨が降ってくると、 「あ、いけない。ふってきた。あー、もう。いそがなきゃ。」といって…
< あ か る さ を み う し な っ た ら 夜 > どこかで思い出がひとつ生まれると、誰かがひとつ思い出を忘れてしまう。 季節という名前の人には出会ったことがない。 海岸線はずうっと昔から何度もなぞられていて、 海辺をたどれば家に帰れる。 育子は、ふ…
「ねーねー。 ねーってばよー。 ねーねーさんが呼んでますよのー?」 ねーねーさんに呼ばれるとは光栄ですね。 私は妹に(いませんが)にーにーとよばれてみたかったです(兄として)。 今日は車で、栃木のむしゃむしゃパン屋さんに向かっております。 むし…
春先だと言うのに、風はちょっと冷たすぎるんじゃないだろうか。 誰にと言うわけでもなく、壁に、人に、家路に、街に。 「ぴゅうぴゅうとびゅうびゅうはなんで?違くなるにあ?(娘の流行りことば。) 音ってさー、おんなじちゃんの冷たさでも違うよねー。 …
ひらがな魔導士イクコ、ここ最近のひらがな練習。 いおす・きす・でじたる おおさか・なつのじん とうかい・どうちゅう・ひざくりげ 「いおーす、きーす、えっと、でじたる!でじたる〜る〜♪」はなうたで詠唱。「る〜」に乗せてくるくると鉛筆をすべらせて、…
さて今日は育子の大っきなお友達、木綿子(ゆうこ)ちゃんの誕生会。少し遅れました。 木綿子ちゃんは華の女子大生ですが、よく育子と遊んでくれます。(育子と木綿子ちゃんが一行ずつ声に出しながら作った「あまつぶのひるね」というお話(詩?)は、とても…
ちょうちょが飛んでいた。 ♪ちょうちょ、ちょうちょ、なになにとまれ〜 すこし間違いながら歌うムスメ。 ぶんぶんと先ほど摘んできた猫じゃらしを降る。ちょっと飛躍して、『ちょうちょはねえ、昔のひとは、「てふてふ」って書いたんだよー』と教えると、 「…
♪てぃんくぱっど てぃんくぱっど ぶぅ むぅ わー しゃららんじっと とららんじっと めけめけ おっこったー ぶーがーる ぶーがーる ももみるき もんもみるき〜 ・・・という歌を、帰宅したら育子と歌ってみようと思って、出先の事務所でぼそぼそと創作。 一人…
どっち? 「ひだりて。」 ぶぶぶー。みぎて。 「え〜っ!?なんでなんでなんでーよーっ!」 ピノ(ファミリーサイズ、小袋入り)をどちらかの手に隠して、あたったらお口にイン。ゲーム。 アイスが隠された私の手の隙間を、 んぎぎと目を小さくして見つめた…
育子は絵を描いているとき、たまにむつかしい顔をしていることがある。あまりにもスケッチブックとの距離が近い。そんなに近いと、目が悪くなるよっ!とたしなめてみると、こっちをきっと睨んでから 「もーね。いっしょうけんめいじゃなきゃ、ダメなのよー?…
新潟から、一路東京へ。案の定というか、星の定めというか、育子、やはり帰りたがらない。愛するものが増えるということは、ひどく人間を悩ませることなのかもしれない。そのことに、私はだいぶん鈍くなった。 「センセのぉ、とぉこお。」 別れたくない気持…
「ボス!ボ〜ス〜〜!!」とか、 「ヘルちゃん!へーるちゃんはどこに居るん!?」とか、 動物だらけの先生の家では、連日迷子の捜索願いが飛び交う。 ボスはブテッとした三毛の猫。ヘルはインコです。 みんな名前がいかつい・・ しかしインコまで放し飼いに…
まもの、って人々は彼のことを呼んだんだ。 まものはその名前があんまり良くないことは分かってたし、 せいくんやいくちゃんみたいに、お母さんお父さんがとくべつ!だからってつけてくれた名前ではないことも知っていたよ。 それでもまものは嬉しかった。だ…
けいこちゃんのこと考えてって、パパの指令です。どーしてかってゆうとね、けいこちゃん、今度「めんせつ」っていうの。するんだってさー。 はじめてちゃんの人と会ってね、こんにちは言って、けいこちゃんはいいこよって思ってくれたらオッケーなの。 でも…
にいがたはね、東京よりも上っぽのほうにあるよ。長崎よりは、ずーっとうえ! きのことかね、ホーの葉っぱとか、はじめてちゃんもたーくさんあるよ。 ぬるぬるきのこの近くにはね、たぬたんのウンチがあるんだって!目ーめよくないと、気づかないね。 ぬるぬ…
「センセー!このデカデカちゃんの葉っぱはー?」 「これは、ホオの葉っぱや」 「ほ、おー?ほ?」 先生が育子に、大きな葉っぱをモギって渡す。 「そうや。昔はこれに、おにぎり包んでチューハン(先生は昼ご飯のことを、チューハンという)にしよったんや…
新潟に住んでいる、考古学者のN教授の家に行く。育子と二人、おひたしうりの小旅行モードです。 先生は「歴史学は嘘っぱちやで」と私に教えてくれた人。それは同時に歴史というものがイマジネーションによって作られる、想像力の学問であること(そしてそれ…
誰かが寝坊したとき。 我が家の伝統的な起こし方がある。 私が子どもの頃は、父親が私に対して行っていた。 それは「にわとりとたまご」という目覚まし技。 寝ている人間をたまごに見立てて、布団の上にのっかって、鳴き出す。 こけーこっこっこっこ、こけー…
最近の我が家の爆笑ごと。 それは、育子があのクイーンの名曲、「I Was Born To Love You」のライブプロモに合わせて、フレディのように踊ること。 フレディと画面の隣でダブっている娘が、妙につぼ。 あまりに面白いから、白いフレディコスチュームを作って…
育子を連れて、近所の大学を散歩。 大学には大きな並木道があって、背の高いイチョウが葉っぱをたえず散らしていて、秋のこの並木道は、ほんとうにきれいだ。 娘がいると、助けられることがたくさんある。 それは私が、子どものようにはしゃいでても、あやし…
ときどき、これは娘から遠ざけたいなー、とおもうような場面とか、状況とかがある。 主に社会的なこと。人間の世界だけの辻褄だったり、ちょっと「にごり」の感じられること。 昨日、わざわざ自宅まで来て仕事を持ちかけてきた人は、最後にこういった。 「大…
おはよう。こんばんわ? こんにちわ!がいちばん多いです、いくちゃんです。 お昼に会わないひとって、いつもなにしてるのー? おしごといそがしいの?でも、いくちゃんも、お歌さま作ったり、公園でワニワニごっこしたり、とーってもいそがしいの。 だけど…
いくこの作曲には、実はカンペもある。 いちばん身近なカンペ、それは・・ 「レシート」です。 レシートに並ぶ文字(カタカナ表記が、のぞましい)をなぞりながら、コーラスを音符に乗せていく。 ♪けんこー♪ 黒豆茶さんはにーきゅっぱ♪ いつもは98えんの …
家から川が見える。川のそばには、大きな並木道がある。 秋の葉っぱを眺めていると、記憶の検索がはじまる。 けれどもその速度は思ったよりもゆっくりで、 あんなこともあったっけ、あれはどこの何だったか・・と毎ペースだ。 連続して見えるものが実は不連…
今日は友だちのいちご農家さん、しまんと親分のところで定植作業。 定植とは、いちごの苗を植える仕事のこと。 たくさんの人手がいるので、近所からわーらわらと、お手伝いに老若男女、犬猫まで集まった。 「ねーねーいちごはー?がじがじされちゃったんです…
今日は重陽の節句。菊の節句ですね。 「チョーヨー!」 育子は口をぴーちくぱーちくさせながら、チョコレート味のシリアルを食べている。 白い花は好きだ。菊の花言葉は「誠実」とか「真実」とかあるけれど、そういうのなくても、好きだと思う。 今日たまた…
トイピアニスト育子は、カバー曲もやりますよ。 たとえば、代表カバー曲はこれ。 「はっかったっのっ しお!!!」 名曲〜。 バカ姉弟より?カバー。 「アマリリス」「ムーンリバー」も弾けます。 おっ!すごいじゃん! と言いたいところですが、これは立川…
「ももくりさんねん、、かきはちねんっていうのはおかしいです」 育子、父親議事堂にて質疑中。 なにかねきみは。ももくりも、かきも、毎年見ることができるのに、年齢が違うのはどういうことだ、とかいうのかね。 「だってねー。 ・・・8年生っておかしい…
夜、靴下を足の指でつまんで、バレリーナのようにバランスをとりながら洗濯機に靴下を入れたら、育子に 「もう。行儀ん悪かとは兄弟でよーーーー似とったい!」 と、言われる。これは、私の姉の常套句。