いくちゃんと全力のきもち


新潟から、一路東京へ。

案の定というか、星の定めというか、育子、やはり帰りたがらない。

愛するものが増えるということは、ひどく人間を悩ませることなのかもしれない。

そのことに、私はだいぶん鈍くなった。 


「センセのぉ、とぉこお。」

 




別れたくない気持ちは、言葉にならなくて。

小ちゃくてこの世界を、私なんかより全力で受け止めている。



暮らすということは涙。

こぼすということは月日。