いくちゃんと黄色いおやぶん


育子を連れて、近所の大学を散歩。


大学には大きな並木道があって、背の高いイチョウが葉っぱをたえず散らしていて、秋のこの並木道は、ほんとうにきれいだ。



娘がいると、助けられることがたくさんある。


それは私が、子どものようにはしゃいでても、あやしまれないこと・・

もとい。

全力で遊べること。



思いっきり遊ぶということは、子どもでも大人でもかんけいなく楽しいもの。



イチョウの葉っぱのかたまりを投げつけ合うだけで、こんなにも気分が晴れ晴れするってこと、普段の生活ではうっかり忘れてしまう。




「パパー!!!!!

 黄色のおやぶん、どこにいるのっ!

 たいへんだよ、いくちゃんちも黄色くなっては。

 たいへんだよ!タイジしなくちゃ!

 ・・・はっ。

 パパが・・パパが・・

 ひょっとしてー!おやぶんなのー!!!?」




そうですよ。がおー。黄色いおやぶん、がおー。 






全ポケットにイチョウを詰め込んだアホくさい大人、ちょっと危ない表情で子どもを追いつめる。


・・・はっ。

これでは結局、あやしまれるんだろうか。