いくちゃんとゆり子のような愛

 
 
 
私は自宅にいることが多いが、勿論離れなくてはいけない仕事も沢山ある。
 

保育園を営む友人が近くに住んでいるので、どうしても人がいないとき(大概家には人がいるが、)に、育子をお願いする。 

 
ある保育園の帰り路、育子、 
 
 
「ねー、パパ。
 
 マキロンは。マキロンはさー・・・ 

 いや、なんでもないよー」 

 
マキロンで感じるオトナの表情・・・ 
はじめて「いや、なんでもない」と言われた。
保育園で何が起こっているのか。  
 
 
育子を特別な人だと思うのは親として当たり前だが、 
当然特別だから全てが見えるわけでもないし、また見ようとする努力にも意味がない。
 
 
それでも、今はまだ小さい、ささやかな存在が、これからどんな柔らかな世界を育んでいくのか。見つめつづたいと思う。これが欲望というのかな。
 

育子は漂う風船 そして私は風・・・ 
育子がマドロスなら私は港・・・
 

森夜を思うマダムゆり子くらい狂愛できたら、この日記にも大した意味はないだろう。 
そう、大した意味はないのです。
とっちらかって育ってゆく。
私も、今も、そう。